北海道旅行2017Part1

この旅に出たのは11月下旬でした。関東などではまだ明らかに秋といった頃ですが、北海道ではもう冬が始まっておりました。そんな頃に函館と小樽を3泊4日で旅した中で感じたことを書き留めていきたいと思います。

 

飛行機に乗って新千歳空港へと降り立ったのはお昼頃。この日は函館行きの特急を予約していたので、とりあえず乗換駅の南千歳駅まで鉄道で移動……したのですが、これは歩いてでも移動できたかも。すぐ近くのReraというアウトレットモールにお昼を食べに入ったところ、お客さんの国際色が豊かで少し驚きました。流石は北海道の玄関口千歳ということでしょうか。

 

ホームで久しぶりに受ける北国の風に震えつつ汽車を待ち、15時ころのスーパー北斗に飛び乗りました。


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新千歳空港から飛び立つ飛行機


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湿原に架かる橋

 
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車内販売の飲むヨーグルト(おいしい)

 

函館駅についたころにはもう真っ暗。
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ちょうどいい時間ということで、市電とロープウェイを使って本日最大の目的である函館山の夜景を見に行きました。


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(風邪が強く、galaxy君が煽られまくったのでブレてしまってますね…)


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エモい

 

函館山といえばトンボロ方向の夜景(1枚目)が有名だと思うのですが、それ以外にも見所がかなりありました。トンボロ方向のデッキはとても混んでいましたが、港方面は空いていて、じっくり楽しめました。


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函館山で凍えきった身体を函館のお酒で温めて1日目終了です。

 

1日目はほぼ移動であったためボリュームは少なめとなりましたが、2日目からはお腹いっぱいにしていくつもりです。お楽しみに。

「夜空の呪いに色はない」を読んで

河野裕 『夜空の呪いに色はない』 | 新潮社 http://www.shinchosha.co.jp/book/180103/

 

それを、気づくための物語。

 

簡単に紹介をしたのちに感想を述べていき、最後に少しだけ補足を行う。なお当ブログでは感想を「作品から感じたものを言葉にし、できる範囲で自分なりに回答する」こととしたいので、原則としてあらすじの解説は行わないこと、また内容の性質上常態で記述することをご了承お願いいたします。

 

この本は階段島シリーズの第5弾であり、同シリーズの既刊には第1弾「いなくなれ、群青」第2弾「その白ささえ嘘だとしても」第3弾「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」第4弾「凶器は壊れた黒の叫び」がある。レーベルは新潮文庫nexであり、ジャンルはキャラクター文芸とされている。キャラクター文芸、あるいはライト文芸というのは聞きなれない方もいると思うが、Wikipediaの当該記事を読んでいただけると大体イメージはつかめるだろう。

 

私はこの本が「何かを選ぶということ」に向き合い、そして「大人になるということ」に寄り添った作品だと感じた。本書中では、なにも捨てないでいられるかという課題が登場するが、それは視点によって変化するものでどう主張しても詭弁でしかないと言及される。それは、選択をする際にしばしば思考を囚われがちな取捨という側面よりも、もっと重要なことがあるという事ではないか。そしてその重要なことというのはきっと「夜空の呪い」なのだ。

 

本書の中で、ある先生が、大人になりたいと言う少女に対し、正しく大人になる為には夜が来るたび悩み、決断し、間違いがあったなら認めなさいと諭す。誰もが選ぶ事を強いられ続ける「呪い」は夜空のようにいつだってそこにあり、色も無いのに重なり合って重たく覆うと少年は気付く。その少年はまた、子供である自分を捨てた幼い男の子に対し、大人と子供の違いとは乗り越えてきた夜の数、その身に受けている呪いの数であり、子供を捨てても大人にはなれないと伝える。彼らが語るのは、選ぶこと、「呪い」を受けること、大人になることは、どうしようもなく繋がっていて、それから目をそらす事ができても逃れることはできないということだ。

 

しかし最後に少年が思い出すように、夜空はたしかに暗闇かも知れないが、星の微かな光でさえ遮られないのだ。だからこそ私はこのタイトルが、そしてこの本そのものが、等身大の優しさに満ちたものに感じる。何かを選ぶことが怖くなってしまった人、大人になりたい、大人でありたいともがく人、夜空の呪いと向き合う全ての人が、夜空を真っ直ぐに進むか細い光をきっと思い出せることを祈る本だと思うのだ。

 

〜補足〜
階段島シリーズはタイトルがほぼそのまま本編のフレーズとして登場し、またその本のメッセージを凝縮したものになっている。また各章(各話)のタイトルも同様である。これらのタイトルに込められた意味がどういうものであるか、頭の片隅で考えつつ読み進める、または2週目を読むと中々に味わい深い。また本のタイトルは最新第5弾まで色のイメージを使ったものとなっている。この法則と関連についてはまだ考えがまとまらないが、最終巻のタイトルの予想や、最終巻発表後にシリーズ全体のテーマの考察を行ってみたい。

 

最後に、私が一歩踏み出す勇気を持てたこの作品への感謝を、勝手ながら述べさせていただきたい。また、本記事を最後までお読みくださった方々に心から感謝いたします。

 

2018/06/25追記

次回は北海道旅行編第1回を7/8朝に上げたいと思います

 

前書きのようなもの

初めまして、旅羊と申します。このブログでは旅の思い出を中心に、お気に入りの本や音楽についてもまとめていく予定です。

旅が好きで、ひとりでフラっと出かけることも、友達と数人で出かけることもあります。そんな中で、旅の中で感じたことを写真と一緒に書き留めておくノートが欲しくなってきました。せっかくノートを作るなら旅や旅日記が好きな方と交流したい、そして自分のモチベーションにも繋げようというのが、このブログを開設した主な動機になります。(写真下に続く)
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旅に出る理由は人によって様々だと思いますが、私はおおよそ「まだ見たことのない世界を知りたい」というものです。この気持ちは、本(とくに創作)を読む時も同じです。創作作品は作者の方が創る一つの世界であり、本を読むというのは壮大な小旅行のように感じるのです。

また音楽もその名の通り音を楽しむことであることはもちろんですが、人間の心の動きや状態に寄り添うものでもあります。悲しい時に聞く曲、気分を上げたいときに聞く曲というフレーズを耳にすることはないでしょうか。読書の時に聞きたくなる音楽、また旅の中で新たに知る音楽もあるものです。

旅と本と音楽が好きな旅羊が自分の趣味を書き留める「のーとぶっく」、一息つきながら眺めていただければと思います。それでは次の記事をコーヒーでも飲みながらお待ちください。

 

次回6月3日更新予定

 

(Twitter→@o_aries_c)

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